みどりばこの日記

自然、文化、留学

Diversity 多様性

渡米する時のApplicationに、ニューヨークのDiversityを体感したい、と書いた。

面接ではなぜDiversityを大切にしているのかを聞かれ、世界中の人々の様々な価値観を体感してみてみたい、幼少期に米国に住んでいたことで様々な文化、宗教、人種に触れ、視野が広がったから今度は社会人としてそれを肌で感じたい、と答えた。

 

Diversity is about recognising, respecting and valuing differences based on ethnicity, gender, age, race, religion, disability and sexual orientation. 

辞書で”Diversity”とひいたとき、意味が最もしっくりきたのがこれだ。どの話題も時に慎重に扱うべき話題ではあるが、ある程度信頼関係が生まれると自然と話の話題としても上がってくる。会話の中で一歩踏み外すと”That is politically incorrect”と非難されるのだが、丁寧に話すと非常に興味深い部分でもあり、気づきも多い。

 

Ethnicity

・名前の付け方が違う。米国では、体感半分程度の女性が結婚した際に名字を変えるが、半分は夫婦別姓を維持する。インドから来た既婚の先輩は、名字は夫のFirst nameであると教えてくれた。この先輩の民族は、結婚すると夫のFirst nameが自分の名字となり、子供には親のFirst nameを名字として与えることが一般的であり、親二人と子供の全員が異なる名字を持つこともまれではないのだとか。ドミニカ共和国では親両方の名字を子供の名字として与えるため全員名字が2つあるのだと。日本は夫婦別姓すら認められていないことを伝えると、驚いていた。

 

Gender&Sexual Orientation

・仕事開始初日、全体の自己紹介で話すこととして与えられた4つ項目のうちの1つが”Pronouns=代名詞"だった。”I go by 〇〇”というのだ。女性であれば”She/her”、男性であれば”He/him"、中性であれば”They/them"と答える。さらに、名札をもらった日にはバッチをつけるよう言われ、バッチにはそれぞれSHE、HE、THEYのいずれかが書かれていた。こうすれば相手も間違えずに濟むし、聞かなくてもよくなる。非常に効率的だと感心してしまった。

・同期40人程度のうち、3割程度が同性愛者である。その上、こちらの人は家族の話をよくする。初日から会話で女性がmy girlfriend, my wife、男性がmy boyfriend, my husbandと自然な流れで言われ、慣れていない私からすると最初は驚くこともあった。ただ、これも文化。今は、幸せそうに話す彼らの話はいつも楽しい。

 

Age

・歳を聞かれることはほとんどない。私も周りの人の歳を気にしたことはあまりない。何歳でも同じ年に入社したら同期なのだ。先輩後輩は入社順。自分のことをI am old, I am youngと言っている人は見たことがない。同じ仕事内容をできていれば、年齢なんて関係ないのだ。

 

Race

・クリスマスディナーで盛り上がっていた際、日本はKFCを食べるんでしょ!と言われた。確かに、私の家族は毎年KFCのクリスマスセットを買って食べている。当たり前すぎて違和感を抱くこともなかったが、考えてみたらアメリカではクリスマスディナーは大切でありKFCなどのファストフード店の食べ物で済ませる人は少ない。なぜ日本ではKFCをクリスマスに食べるようになったのか不思議に思った。プエルトリコドミニカ共和国では豚を丸ごと焼いて家族でそれを囲むのが一般的らしい。アメリカではクリスマスディナーはターキーかチキンをオーブンで焼くのが王道のようだ。

・ニューヨークに来て驚いたことの一つが、英語を全く話せない人が多いことだ。10年以上在住している方々でも、英語を学ばず生活できるのだと。スペイン語アメリカ人でもある程度話せる人が多く、通訳してもらえる場面も多いのは理解ができる。一方、China Townに住んでいる方々の中には中国語のみで生きている方々が多いことには驚いた。ほかの言語でも同様のことが言えた。日本人の感覚からすると外国でその国の言語を話せないのは不安要素の一つだと考えるが、彼らに聞いたところ、不安は全くなく英語は自分の生活に必要ないから学ばないのだと言われた。

 

日々驚きの連続である。

意識せずとも日々の生活の中で人と関わることで、面接で言ったことを体現できていていることを嬉しく思う。

上記以外のトピックにおいてもDiversityを感じることはたくさんある。

まだまだDiversityを肌で感じ続けたいし、興味を持ち続けたいと思う。