みどりばこの日記

自然、文化、留学

スタンダップ コメディ

先週、念願だったStand-up Comedyに行ってきた。

場所は「Comedy Cellar」というマンハッタンのDowntownにあるショースタジオ。

Stand-up Comedyとは、舞台に立つコメディアンがマイク一本で観客と会話をしながら客席を沸かせるスタイルのショー。

外国人にとっては、英語が理解できれば笑い続けられる一方、理解できないと苦しい時間になってしまう。コメディアンに話しかけられる可能性も高く、少し緊張する。ずっと行きたかったけれどもなかなか勇気がなく行けなかった。今回は、ドミニカ共和国の友達に「僕も楽しかったから君も大丈夫だよ!」と背中を押してもらいチケットを買った。

観客30−40人ほどの小さな空間で、スポットライトが当たる中央にコメディアンが立つ。6人のコメディアンが持ち時間15分程度で観客を笑わせてくれる。

心配していたが、8割くらいは理解できた。面白かった。でも、意外なネタが多かったので感想を綴ってみることとする。

 

  • Politics 

コメディアン誰もが元大統領をネタに使う。彼を支持するRepublicanがいたらきっと乱闘になっていただろうと思うほど攻撃的な発言が多くみられた。さすがBlue state。それに対して観客は笑う。このコメディだけでなく、さまざまなテレビ番組でも頻繁に彼のネタが取り上げられる。アメリカのPoliticsは終わっている、と残念がったり苛立つフェーズは過ぎ、今は笑えるからむしろ面白がっている。わかってはいたけど、なんて人なのだろう、と改めて思った。

 

  • Race/ Ethnicity

politically correctな発言が常に求められているこの国で、コメディの中であまりに自然に人種や肌の色のJokeをするからむしろヒヤヒヤしてしまった。しかも、白人が話しているのだ。白人が”Black people”についての話をしたり、”Asian people are~~~”とStereotypeで笑いを取るからもう難しい。

 

  • Sex

一方、やはりLGBTQはMinorityなんだなぁと感じてしまった。男女できているカップルにはすかさずどんどんずかずか質問していく。どこで出会ったのか、インスタで出会ったカップルには、アプリで出会ったことに対する周囲の反応や第一印象なども聞いていた。一方、ゲイのカップルには全く話しかけない。あえてかどうかはわからないけれども、やはりそこはセンシティブなのかもしれない。

 

  • NYのネタ

最近よく感じるのは、この街にはNYを好きな人と、NYを苦手とする人、二極化している。コメディアンは、NYのことを、「日々子供が誘拐されるまち」、「前を見て歩くのは観光者だけ」「犬の散歩中が一番他人と話す時間」などと表現していた。観光者にとっては目新しいことがたくさんあって面白いけど、住みたいと思って住んでいる人はどれだけいるんだろう、と思った。

 

  • Religion

NYにはJewishの人が多いのがCaliforniaにいた時と比べて大きな違い。Jewish people, raise your handという問いに対してときに複数の団体が誇らしげに手を上げていたよ。Christianが大半なイメージだったけれども今回Christianの話題はなかった。Jewishのコメディアンは自分達の帽子についてmini hatなんてコメントしたりしていた。私にとってはNYの意外な一面だった。

 

  • Curse words

私が苦手だったコメディアンは言葉で笑いを取ろうとする人だった。話は面白くなくても、最後にCussしたら笑いが取れると思っているようで、困ったときはいつもそれだった。それに対して確かに観客はとても笑っている。ただ、終わった後の盛り上がりや拍手は全くなかった。不快に思うのは、他の観客も同じだったようで安心した。

 

  • Mindfulness / Life-work balance

インドで生まれたコメディアンが、娘の大学の授業についての文句を面白おかしく言っていた。わたしたちの時代にはMindfulnessという授業はなかった、むしろそんなものに時間を費やすならもっと本を読め、プライベートな時間より自己研鑽の時間を増やせ、と言われて育った、と言っていた。それに対して親世代の観客は深く頷いていた。日本でも「ゆとり世代」だから、などと言われているが、どこの国でもこのような感覚はあるのかもね。